三億の鼓動

COMIC ZINから同人誌を引き上げて清算したレポート

本記事はCOMIC ZIN(以下ZIN)に同人誌を委託しててから音沙汰のない状態で、同人誌を返してほしい人向けの記事です。
当事者じゃない人には無用の記事です。
でも、周りに同じような理由で困っている人がいたら、この記事を教えてあげてください。

COMIC ZINに同人誌を委託すると一定期間ののち、在庫の報告が途絶え振込もされないので同人誌がどうなっているのかわらかなくなるという問題が2023年4月時点でも報告されていました。
この問題は私の記憶の限りでは2017年頃より報告があり、これまでずっと被害者が出ている問題です。

この度、4年越しに本を返却してもらうことができましたので、以下に報告します。

まず、本を取り戻して清算するといえば「すわ法的処置か」と思われるかもしれませんが、私個人は話し合いにて和解しました。実際のところ、法務の方に相談もしていましたが、当事者同士の和解で済むならそれが良いでしょう、法的措置ってやるほうも大変なので。
また、私は本とお金だったら本を優先し、本を取り戻すことを優先とした戦い方をしました。

交渉に入る前に、ZINの約款がどうなっているのか確認しました。
約款では月ごとにZIN側から報告があること、売り上げが3000円に満たないときは繰り越されること、返本の送料は送付側(この場合はZIN持ち)であることを確認します。

そこから実際に清算にむけての交渉に入りました。
それでは流れを説明します。

本を回収して清算したい、まずはZINのサイトのサークルページの返品依頼から返品を依頼

そのまま手続きが進めばOK

手続きをして音沙汰がない場合、何月何日にメールを送ったのだがどうなっているか問い合わせます。
問い合わせ先はフォームではなくメール直(dojin@ではじまるメールアドレス)に送りました。
そのとき、何月何日までに何らかのアクションを貰うように求めます。

ここで何らかのアクションが起きて、解決すればOKでしょう。
私はここで解決しました。

なお、2019年を最後に連絡が途絶えていたものを2023年に清算を請求しました。
2019年の最後にもらっていた棚卸数と、2023年に現物をピックアップして数えてもらった数13冊の食い違いがありました。
ただ、私の本は10種類あって270冊もあります。まあ仕方ないでしょう。と私はしました。
ZINは「調査します」と言ってはくれますが、たぶん調査してもわからないので…。

明らかに売れたというPOSデータがあるのなら売りを立てて振り込んで終わりにしよう。
それがないなら調査を打ち切って、繰越金(490円ありました)を手数料という形で清算扱いにしてもよい。
ZINの経理上都合がよくて、なおかつ一番時間がかからない方法で良い、よしなに取り計らえ。という風に交渉していました。
これで調査してください→またn年後とかになってもたまらんので、ある程度はあきらめました。

なんだよちゃんと請求しろよと思われるでしょう。
私は現物の本が戻ってくるのが最優先ですし、早く終わる方法を優先しました。とっとと当事者じゃなくなりたかったので。
このあたりを売れたという想定で振り込めと交渉するのも、”損切り”だと思ってあきらめるのもそこはケースバイケースだと思われます。
売れたと想定してその分のお金を振り込むように交渉するのも、それはそれだと思います。

他の人のケースでは、売り上げがちゃんと記録されていて振り込まれたという人もいましたし、当月末まで待ってから〆の作業を行うという取り決めをした人など、どうも1サークル1サークル別に対応しているようです。

このあと、ZINから段ボール何箱になるのかということなどの連絡があり、一応送り先を送って本を戻してもらいました。本がもどってきたのでここで手続きは完了。私は当事者ではなくなりました。

また、戻ってきた本は綺麗にまとめてシュリンクされていました(1冊1冊ではなく、種類ごとにまとめてシュリンク)。特に破損や汚れや日焼けなども見られませんでした。

この記事を書いている現時点(2023年4月22日)で、多数のサークルが何らかのアクションをとってもらっていることを確認しています。交渉で済むなら良いでしょう。
また、未払い問題が発生しているにもかかわらず、ずっと被害者が出続ている点について指摘しましたが、現時点で新刊登録がストップしていることを確認していますし、システムの改善について動くよう報告は貰っています。実際にどうなるかは注視している状況です。

というわけで、諦めてしまわずに問い合わせを繰り返せばなんとかなるというのが現状のようです。

さて、Twitterでさんざん騒いだ手前最後まで話をします。

もし、直接メールで何月何日までに何らかのアクションを求め、その期日までに返事がなかったらどうしていたでしょうか。例えば返本依頼が殺到していて手がふさがっているのでもう1か月待ってくれというのなら、待ちました。改めて期日を切って催促をするつもりでした。

そういった連絡もないのであれば、いよいよ仕方なく法的措置に入るかという覚悟を決めていました。
金銭だけの要求ならば少額訴訟制度を利用するものですが、物品の返却がメインだとするとこの制度は使えません。なので民事裁判ということになります。
訴状を作り、自分が住んでいる都道府県の簡易裁判所に提出し、準備書面を作って実際に裁判に出頭するという流れになります。意外とローコストでできますがタダではありませんし、個人で訴えを起こすこともできますけど平日が1日潰れます。

金銭の要求がメインでしたら、n万円相当の物品を委託していたのだが在庫報告がないのでn万円払うか現物を返却するよう内容証明郵便を送り、それでも解決しなかった場合は少額訴訟に移り実際に訴訟を起こすという流れになるかと思います。

実際にどちらの方法をとるのかは何を優先し、何をゴールにするかにもよると思いますが、どちらにせよ手間と費用が掛かります。

せっかく苦労して作った同人誌が、どこかに埋もれたままになるのはもったいないと思います。
交渉次第で本が返ってくるっぽいので、あきらめずに交渉してみてください。

本記事はなんとか本を取り戻したいという方のためにレポートして書き残しておきます。
何度も言いますが、働きかけさえしていれば解決する目があります、本人があきらめてしまえばそこで終了です。あきらめずに本を取り戻そうとしてください。

補足:
本を預けたが一度も連絡を貰っていないという方も何名か見かけました。登録IDなどがわからなく途方に暮れているようですが、ZINのサークルページに連絡先が書いてあるので、ともかく連絡してみるのが良いかと思われます。

2023年5月2日追記

13冊の食い違いがありましたが、ZIN側より売れたものとするといういことでお金の振り込みがありました。
これでお金については結果的に損切ではなく、清算という形がとれましたことをご報告いたします。