三億の鼓動

【復活記事】 コロナ禍の中、小規模同人誌即売会主催としてやったこと、やれなかったこと、やらなきゃいけなかったこと 4

今更ではあるが、この一連の文章はやったことの正しさの検証のために書いた文章ではない。
実際にこーいうことを考えてこーいうことをやりました、というのをオープンな状態で残したほうがいいのではないかと思ったので、この文章を書くことにした。

当時の正直な気持ちもそのまま残して書くこととする。

  • ここまでのあらすじ

2020年に小規模即売会3つ抱えてる主催の回顧録。
2月に即売会やった!4月の即売会は延期!8月にイベントやるんですか!?←イマココ

  • 2020年7月10日

規制緩和されず。

人数の規制は継続。されたらすごく楽だった。まあ、しかたないね。

ちなみに会場そのものはGW中は休館していたようだが、5月16日より利用再開となっていた。

  • 2020年7月16日

ガルパンオンリーの配置図を公開。もちろんまどマギオンリーも同時に。

  • 2020年7月20日

会場に届け出(書類)を一式を提出(提出すべき書類は会場ごとに異なる)。

ホール使用計画書とか備品の使用数とか自衛消防隊の編成表とか、そして感染症対策を講じたことの同意書。

このとき一緒に配置図も提出したが、配置図にNGが出た。

この辺は会場にもよるのだが、設営(つまり机並べ)を会場側でやってもらえるところと、自前でやらなければならないところがある。今回は前者。

もともと180㎝の机に2サークル(普通の即売会と同じ)にして、机と机の間隔をかなり開けることでソーシャルなディスタンスを確保しようという計画だったが、会場側から「間隔が足りない」とのご指摘を頂くことになった。

サークル配置図はすでに公開してしまっている。
しまった、手順を間違えた。会場に先に設営図を送ってOKをもらってから公開するべきだった。

しかし会場から「備品に120㎝机があるから、1サークル120㎝机1本に置き換えたら?それならOKよ」との提案を貰う、しかも変更済の設営図まで送ってくれた。
おお、神よ。

こちら側で再度計算したところ、180㎝机に2サークル→120㎝机に1サークルに変更したとしてもなんとか収まる。サークル配置を変更しなくても良いということが判明した。やったぜ。

そのほか会場外の受付のことなど、会場側と会場敷地内の打ち合わせをする。

  • 2020年7月21日

机の大きさが変更になることをサークルに連絡。

そして追加椅子の受付が出来なくなることをごめんなさいする。

あらかじめ点呼とったのでサークル2名入場は許可。(結局全サークルの2割程度だった)

  • 2020年7月22日

サークル向けの搬入や入場方法の案内を一斉送信。

感染症対策は6/25に制定した第二版から変更なし。
第一版から第二版の変更点はニュアンスのわかりにくかった文言の書き換えなので大筋で変更はなかった。

会場の方も、私たち即売会の感染症対策のページ等を確認してくれているみたいで、「ちゃんとしている」とお褒め頂いた。うれしい。菓子折りもっていこうと心に決める。

  • 2020年7月23日

カタログの入稿、支払い。2回も差し替えしてごめんなさい。

各印刷所へ搬入要綱の伝達。

大阪コロナ追跡システムは主催である私が取得し、カタログの中に掲載した。

会場内にもポスターとして掲示したかったので、QRコード入りのポスターも発注した。

カタログの印刷数はかなり悩んだ。例年の開催より参加人数が減ることは目に見えている。
でもいいや、例年通りの数で刷っちゃえ、ポスターも余計に刷った。どんどん印刷屋さんにお金を落とそう。

  • 2020年7月末~8月頭

思いっきり第二波が来ている。感染者数はどんどん増えている。
不安で夜も眠れない。
毎日毎日、開催地である大阪府の情報を収集する。

でも、やるという方向性で進んでいた。
とにかくやれる方法を探して、どうしてもやれないという理由がでてきてしまったら、そのときは諦めよう、という感じ。
それに、「やめる」はいつでもできるけど、「やる」はずっと準備を続けないとできないから。

併催相手であるすぢこさんと、備品のチェックリストの作成をする。

通常の開催で必要なものといえば文房具程度のものなのだが、感染症対策のためにいつもより多くの備品が必要だった。

手指消毒のための消毒液、除菌シートを中心に余裕のあるだけ買いそろえる。
品薄もだいぶ解消されていたので、どちらも確保は簡単だった。近所のドラッグストアにいっぱいあった。

手袋は前回述べた通り、こまめな手指消毒をとることで不要としたが、入り口の検温スタッフとカタログ販売スタッフには実験的に配備してみた。
使う時はパッパパッパ取り替えてバシバシ使い捨てるように、と。

「フィルム窓付き段ボール製パーテーション」というものを試しに買ってみた。10個で7700円。
設営は簡単だった。転倒してもあまり大ごとにならないし、すぐに捨てれる。でも難燃性じゃないので再考の余地あり。

某即売会主催から備品として買ったが余ったフェイスシールドが100セットある(1つ100円)と連絡がある。
ありがてぇ、現金で買い取らせてもらうと連絡する。余ったら次のイベントに回せばいいしね。当日に「寄付するのでお金はいらない」とか言われたけど、そうはイカの金時計、ポケットに1万円札ねじ込んでやった。

非接触体温計も他の主催仲間からの貸与品。使ったらまた次のイベントに貸与。みんなありがたい。

小分けの消毒液と小さいゴミ袋をすぢこさんが確保してくれた。全サークル配布。
小分けの消毒液はサークルが飲み食いする前に手指を消毒するためのもの。
ゴミ袋は汚染されたゴミを隔離するためのもの。このへんの対策方法はノロウイルスを参考にするとよいと教わった。

  • 2020年8月4日

「現在公開している6/25改定第2版の内容で感染症対策を行い、予定通りの日程で開催する予定です。」と告知。いよいよやるんだ。

感染症対策の内容からコアな部分を抜粋して再度告知。もちろん全文読んでねのリンクもつける。

入場の方法についても告知。こういう導線でやるから備えてねと告知。

搬出の手配をする。ヤマト運輸に集荷を依頼するのが主催の仕事。

現地で使う案内板などの作成を行う。備品の最終チェック、梱包。

  • 2020年8月5日(開催前日)

会場より入電。

会場「某新聞社が明日行われる同人誌即売会の「コロナ対策」に関して取材したいって」

ええ!?今このタイミングで!?

結局、メールで新聞社から取材のお願いがきたが、もう前日なのでそんな暇がないと丁重にお断りさせて頂いた。お断りさせていただくときに、会場の方に間に入ってもらえたのはすごく助かった。

それに二次創作の即売会だからあんま表に出たくないしさ。

  • 2020年8月6日

ガルパンオンリー おおさか作戦です!4
まどかマギカオンリー プリズムレコード5
開催当日。

サークル参加の人数(売り子含む)とコスプレ参加の人数は事前の点呼で確認してある。
でも一般参加者だけは出たとこ勝負なので実際ちょっと怖い。

一般参加者の事前登録制(チケット制など)は小規模即売会の規模だとちょっと準備のコストが大きすぎるのであきらめた。

会場設営の調整、サークル入場、頒布物チェック、サークル設営までは問題なく進行。
全サークルにフェイスシールドが欲しければあげる、と配りまくる。俺のおごりだい。

サークルの欠席率は2割ほど。
大変申し訳なく思うが、どうすることもできない。すまない。
各サークルの意志を最大限尊重したい。

入場のオペレーションは「対策をした者は入ってよい、対策をしていない者は入ってはいけないが、外で対策をしたら入っても良い」という方式。
開場内にいる人は対策済であるということは運営で担保しなければならない。

入口と出口で通路を分けたのは、入り口の間口がけっこう広い(3mくらいある)ので、手指消毒をしていない者が間違えて入ってしまわないように、わざと入り口を狭めるという意味がある。

ちなみに再入場はカタログを提示すればOK、カタログ提示で検温はパスできるが、手指は再度消毒ということにした。

会場内はスタッフが消毒液のボトルをもって巡回。呼び止めてもらえばシュッシュしますよ。

コスプレは来場時間を事前登録のときに聞いていたので、適当に時間ズラして使ってもらおうと思っていた。
そもそも更衣室のために確保した部屋がかなり広かったので、3人までなら2m離れてお互い壁を向いて着替えてね、ということができた。
また、コスプレをしていてもマスクは必須としてもらった。
コスプレに合わせたマスクを自作してきたり持参してきたり、みんな工夫してくれていた。

コスプレはスタッフ除いて3名。コスプレエリアに約3m×3mのボックスを養生テープでバミって、コスプレはボックスの中、カメラマンはボックスの外、という運用にした。
コスプレの人数が多ければもっと運用を考えなければならないし、そもそも人数が多ければ更衣室の中が密になるのでできない。
小規模即売会なので「できる」と踏んでコスプレを許可したが、そこそこの規模になると難しいと思う。

入れ替え制になることを示唆し、そのために終了時間を延長したが、これは裏目に出たかなと思うことがあった。
開場時点でそこそこ人が集まってしまったのだ。

つうか、みんな来るのはえーよ。分散して来てよ、とはいってもまぁ、気持ちはわかる。
そりゃ、入れ替え制になるかもってわかってたらそうなるよね。
うーん、この辺の案内の仕方はなにか考えなければならないかもしれない。

でも、一般参加者の皆にも損したと思ったりしてほしくないので、なにか方法はないものか考えなきゃいけないな、と。

幸い、人が入ったり出たりと、ギリギリ人数制限にひっかからないくらいで回った。

会場内の一部に一瞬詰まる箇所があった、配置のせい。
(配置されたサークルが悪いという意味ではなく、そもそもの机の置き方が悪かったという意味で)
120㎝机で図面を引くのに慣れていない、反省。

時間経過と共に会場内の人数はどんどん減っていく。
アフターイベントがないので、会場内に居残る理由がないもんな。

閉会時間を単純に延長するのではなく、15時までは最低保証、様子をみながら最大16時まで雰囲気をみて終了という形はどうか?と冗談半分で意見が出てくる。
うーん、試してみようかな。

アフターイベントはジャンケン大会の予定だった。
みんな集めて主催とジャンケン、勝ったら景品がもらえる、みたいな。
密になるので中止。
レギュレーションによってはやってやれなくもないけど、まだちょっと怖いかな。

16時ごろには人もまばら、最後に挨拶をして終了。お疲れさまでした。

あとはサッとお片付けをして撤収。打ち上げはなし。できねえよ。

来場者数は一般参加者だけで200人ほど。
消毒液はたっぷり使ってくれとアナウンスしていたので500mlのボトルが3本空になった。

小分けのゴミ袋は入口捻じって封をしたらそのまま燃えるゴミへ。

フェイスシールドは最初気持ち悪いかもしれないし、視界も気になるところだが、付けていると慣れる。あと飛沫が付着したとき見えるというのもある。
手袋は暑いし、手袋のままうっかり顔触ったらアウトだし、結局マメに手指消毒したほうがよさそう。
いまからウンコを触りますよという状況なら効果はあると思うが、そうではない時の感染予防としての効果はわからない。※個人の感想です

スペース前にシールド的なものを設置していたサークルさんは3,4サークルくらい。
みんないろいろ工夫していたけど、ブックエンドの基礎を養生テープで机に固定して、支柱に伸縮棒が基本形のようだ。
支柱にテントポールを利用していたサークルさんの工夫はなるほどな、と思った。
テントポールは中空のパイプにゴムが通されているようなもの、折り畳んで持ち運べて、使う時は伸ばせるし、折り曲げた状態でも使える。便利かも。

大阪市内に工場を構えるくりえい社さん。当日朝9時入稿で10時のサークル入場時間に直接搬入というスゴいパックを作っていた。マジか。会場のすぐ近くらしい。
実際に3サークルから発注があったらしい。マジか。

少しでも大阪府の産業に貢献できてよかった、ということを会場の方と話した。
会場(マイドーム大阪)を運営しているのは公益財団法人 大阪産業局なんですよね。涙でちゃうよ。

ともかく当日は無事終了。

たくさんの人の力を借りました。多くの人に相談に乗ってもらいました。
会場の方もとても良くして頂きました。
私は恵まれていると強く感じました、皆様ありがとうございました。

  • 2020年8月19日

今この記事を書いている。
大阪コロナ追跡システムからのアラートはなし。このまま無事でいてほしい。

まだ1つイベントを抱えている。2020年9月6日の伺かオンリー。

これもまだまだやることがあるし、今あれこれやっているところである。

この件に関しては、イベントが終わってから書きたい。

次の記事は2020年9月7日以降ということになる、しばしお待ちいただきたい。