タイトルの通りです。
「初参加or初ジャンルの同人誌の印刷部数は何部にするか問題」
わかりませんよね?難しいところです。
私のフォロワーさんがTwitterのアンケート機能で同人誌の印刷部数を聞いていました。
まず、同人誌即売会で頒布するモノの数をTwitterのアンケートにするのはアテになりません。
マジでアテにならない。誰でも適当にボタン押せるシロモノなのでまったくだめ。ぜんぜんだめです。
(どうしてもアンケートをやりたいというなら止めはしません、それが交流だったりする方もいるので。それはそれです。部数のアテにするにはおススメしない、という意味)
アンケートがアテにならないのは、押した人間の責任が担保されないとか、悪意で押す人がいるとか、みんな適当にやってるだけ、とかいろいろな意見がありますが、そもそも人間はアンケートでボタンを押した後、時間がたって本が出る頃にはすっかりそんなことは忘れているのです。
その場で買えないと人間は後回しにして忘却します、これ真理ね。
極一部アテになる方もいますが、よっぽどです、よっっっっっっっっぽど。
その他、pixivのブックマーク数やTwitterのエンゲージメント数より算出する試みも見られます。
私も試したことがありますが、なかなか難しい。不確定要素が多すぎてアテにならないのです。
ここからは物理媒体の同人誌(つまり本)に限定して話を進めます。
印刷部数は「これだけ売れるだろう」ではなく、「この本を印刷するのにどこまでお小遣いから出せるか」で決めるほうがベターです。大事なことなので赤色にしました。
この考え方であれば、持続的であり無理がありません。
1万円出せるなら1万円分。石油王なら特装本を100億冊刷ればいいです。
いつか出るであろう同人誌のために毎月2000円づつ貯金箱に入れておく、という方もいらっしゃるようですが、とても素晴らしいことだと思います、マネすると良いですね。
で、予算を先に決めてから、その範囲内で作れる本の形を考えるのです。
よく見かける「はじめてならコピー誌」と決めつけるよりも、
「作りたいカタチはこうで、このためにお金がどれだけ必要か」という調べ方をしたほうが幸せです。
理想と現実の折り合いをつけて、実現できる自分にとっての最良の形を目指すのです。
コピー誌でも手を入れて凝った作りにすることは可能ですし、キンコーズ等を利用して印刷所にお願いしたのと同じくらい綺麗に作ることもできます。
オフセット印刷もパックや早割、イベント支援などのキャンペーンなどを利用すれば比較的気軽に作れますし、最近はオンデマンドもびっくりするくらい綺麗に出来てきます。
とにかく選択肢はたくさんあります。
「私の予算ならここまでのモノが作れそう」という目星をつけて、それを目指して本を作るのです。
とはいえ何部売れるのか不安ですよね?
大丈夫です、そんな予想は誰にもできないのです(大丈夫じゃない)。
マジでわかんないんです。そのための予算先行案です。
でも長年やってればなんとなく勘が身についてきます、だから初めては予算を先に決めるほうがベターなのです。
参加するイベントが大型のオールジャンルなのか、小規模なジャンルオンリーなのかでだいぶ話が違います。
アナタが数万フォロワーを抱えるあるふぁついったらーなら話は別ですが、
そうでなく・初参加、であれば実は大型イベントよりジャンルオンリーのほうが数が出たりします。
ケースバイケースではありますが。
ジャンルオンリーなら30~50部前後は作っても問題ないのでは?と個人的には思います。
もちろんジャンルやイベントの規模、出す本の内容にもよります(女性向けならカップリング等も)。
ジャンルオンリーは全卓をカニ歩きして全部買いの方とかいますので。
大型イベントの場合、まずは見つけてもらうことが大変なので事前の告知によって話が大きく変わってきます。予算内で作って告知をどれだけ頑張るか、という感じですね。
在庫を置く場所を不安視する声もありますが、100部以下ならそうそう困らないです。
大丈夫、ベットの下にちょっと置いておくだけで済みます。
だいたい200部超えてから邪魔になりますので参考にしてください(個人の感覚ではありますが)
ちなみにで計算しますが、通常のコミック紙で24Pの本なら背幅は2㎜です。
100冊でやっと20㎝です。箱に入ったりしてちょっとかさばったりしても30㎝くらいじゃね?
ちょろいもんだぜ。
ま、ともかく、50スペースくらいあるジャンルオンリーで10部だとたぶん足りないです。
見本誌提出に1部、自分用に1部とっておいて、あとは頒布見本用に1部出しておけばあとは7冊しか残らないのです。
後からそのジャンルにハマる人がいて探してやってきたりすることもあります。
ちょっと余るつもりで作っちゃえ、と私は思います。
余ったらboothで売ったらええんや!
(補記:boothの自家発送は1部から、倉庫発送は30部から利用できます)
もちろん、これらはすべてケースバイケースです。
私が書いた内容は大怪我しないための内容です。
初めてで本当にわからないという方へのアドバイスです。
身近な熟練者に相談するのも良いでしょう。私でも構いません。
話は本に限定しましたけどグッズも話はだいたい一緒です。
グッズのほうが出る数を予測しにくいし、生産ロットの関係があったりするので本より話がややこしくなります。 ともかく予算決めてそっから作るのがいいでしょう。
みなさま良い同人ライフを!
え?本が余ったらつらい?
そうだね。
えーっと、上手く言うのは難しいんだけど、結論から言うと余ることはネガティブなことではないんですよ。
同人誌即売会ってだいたい3時間しかなくて、そんで毎日やってるわけじゃない。基本的にはその日しかやらない。
だから会場に来れない人のほうが多いハズなんだ。遠方だったり仕事だったり冠婚葬祭だったり。
その範囲内で人の手に渡らなかっただけであって、その事実をその同人誌の価値に直結しなくてもいい。
余ったのは事実だけどそれは価値ではない。
むしろ、余ったということは、会場にいるその本を欲している人のすべてに渡ったということ。「禍福は糾える縄の如し」
あとからそのジャンルにハマって探し出す人もいるかもしれない。
だから余ったらあまったでとっておけばいい、それだけの話だ。
ものすごく純粋なことを言えば、同人誌とは「あなたの作りたかったもの」が現実になり、この世の中に生まれることそのものが価値なんですよ。
あとのことはオマケみたいなもんなんです。
だから「無理のないように作る方法」というのをこうしてアーカイブしておこうと思います。