ここからはサークル募集が終わった後の実務から実際の現場までご説明します。
5.サークル配置
サークル募集が終わったら配置をします。前述のエクセル方眼紙に実際に集まったサークルの数だけ机を置いて、実際にサークルを配置していきます。
出入り口付近には本部も設置しておきます。ここはスタッフが詰める受付の役割も果たします。
サークル配置ですが、乱暴な言い方をすれば50スペースくらいのイベントならランダムで配置してもいいんじゃね?くらいに思っています。
サークルの頒布物をみて、おおざっぱにジャンル内のジャンル分けをして、それごとに配置ということをすることもあれば、しないこともあります。
もちろんこのあたりの話はジャンルによります。私が主催している関西めしけっとという飲食関連の評論ジャンルのイベントはほぼランダムですし、ランダムなのがむしろ好評です、じゃないと隣が”いつもの”になりがちなので。
二次創作がメインですと、ジャンル内でジャンルを分けたほうが隣の人と”好きなもの”が同じなので会話しやすいというメリットがあります。
カップリング論争などが発生しやすいジャンル…というか女性向けですね、そっちは特段の気を使って配置してあげてください、みなまでは申し上げませんし、私も女性向けにいる人間っではないので、大それたことは言えないのですが…。申し込み時点でカプリングについて回答する欄を作るくらいのことはしてもいいのではないでしょうか。
中小規模のイベントでもいわゆるプロ作家が混じっていたり、列が出来そうな人気のサークルが居るということはあります。そういったサークルさんは申し訳ないが端っこに配置してあげたほうがいいです。基本的にサークルの前の列はサークルの自治の範囲としてサークルに整理してもらうのですが、実務上そう言っていられない事情もございます。なので列ができても避けやすいように端っこに配置しておきます。
合体申し込みをしているサークルさんはちゃんと合体してあげてください、その際に机を跨がないようにするほうが良いです。合体サークル2サークルで机1本を使ってもらうという感じが良いです。
これを読んでいるかもしれないサークルさんにコソっと教えておきますが、「xxさんの隣は嫌だ」という要望はほぼ通ります。申し込みのときの備考欄にでも書いておけばシレっと叶えます。人間生きていればソリの合わない人だって居ますし、こっちも当日のトラブルは避けたいので。逆に「xxさんの隣が良い」という要望は通さないです、トラブルの元なので。そういうのは合体にしてください。
サークルを配置し終えたら、サークルに卓の番号を振っていきます。このへん自由にしていいのですが、なるべくわかりやすい番号をつけると良いです。島によって頭文字を付けるというのはしてもいいし、しなくてもいいです。ジャンルによってネタを仕込みたい部分でもありますのである程度自由にしてもらっていいかと思います。
番号をふったらサークル一覧を番号順にソートしてそのまま発表できる形にしておきます。
5.1サークル配置の発表
サークル配置が決まったら、配置図とサークル一覧表をWebサイト上で公開します。
WordPressだとエクセルの表をそのままコピペすればテーブルレイアウトになるので楽です。
それ以外は大抵の表計算ソフトは表をHTMLで吐き出せたりするので、そのへんの機能を駆使してなんとかしてください。
一緒にサークルカットも公開しましょう。一気にイベントが華やいで見えます。
サークル募集を締め切った段階でサークルカットを出していないサークルさんというのは、まあまあ居ます。サークルカットの提出締め切りを別に設けるのであればそれも良いでしょう(だいたいサークル締め切ってから1週間後くらいが良いです)。催促するかどうかはお任せします。私は催促しています。それでも出ないひとは出ないのであきらめます。
このあたりでサークルさんが頒布物の告知などをTwitter上でつぶやきますので、拾ってRTしてください。Twitterのアカウントを運営するときにイベント用のハッシュタグを作るといいでしょう。また、Twitterの検索機能はあまり役に立ちません。Twitter上の情報を拾うならYahooリアルタイム検索がおススメです。
6.カタログ制作
サークルが集まって、配置して、番号を振りました。もうカタログ制作に必要なものは揃ったはずなのでカタログを作ります。
イベントカタログにはいろいろな機能があります、まずイベントが「いつ・どこで・どんな感じで」行われ、どんなサークルが集まったのかという記録になります。これが一番大事です。そして。すべての参加者に注意事項などの説明をする媒体になります。
入場にカタログが必要ということは、イベントに用事の無い、関係ない人を入場させないということもできますし、再入場証としても使えます。
一般参加者から入場料を徴収する目的という側面もありますが、基本的にはカタログ印刷代に対する折半という扱いです。会場費の不足分などを補うことができるといえばできるのですが(会場費以外にも何かとお金がかかることがありますので)、中小規模の即売会ですと来場者数もそこまでではないので、そんなに大きく儲かったりすることはまったくないです。
最近はイベントカタログを作らずに、最初から入場フリーというイベントも見られます。これはこれでメリットもデメリットもあります。最初から入場フリーは入場に対する敷居が低くなります、またカタログを作らなくてもいいのでその分時間が空きますし、印刷しないのでコストもかかりません。上記のカタログを使うメリットはすべて使えません。
カタログの機能として再度申し上げておくのですが、イベントカタログがあると記録として残りやすいという点があります。Webサイトは次のイベントをするのであれば内容を上書きしますし、レンタルを解約すれば消えてなくなります。紙媒体のカタログは残ります。私も古い同人誌を整理していて、20年前のイベントカタログを見つけて「あったあった」と思い出にふけることがあります。そういうの大事やん。
Webサイトでも残しておけばいいと思われがちですが、Web上に過去のイベント情報を残しておくと、なんらかの拍子でそこにアクセスした人が今のイベントの内容と勘違いすることがありますので、Web上には現在進行形のイベントの情報だけあることが望ましいと思います。
同人印刷所さんによってはカタログに特別な割引がつくことがあります。なのでカタログの印刷費用はさほどではないです。ページ数によりますけどね。
カタログには
- 注意事項
- タイムテーブル
- 配置図
- サークル一覧(文字の表)
- サークルカット一覧
- 奥付
があれば十分です。注意事項を漫画形式にしているところもありますが、コストがかかるのでそこの判断はお任せします。基本的にWebサイトの内容と同じものでOKです。
素材は揃っているので並べるだけで出来るはずです。ちゃっちゃと作ってしまいましょう。
表紙はチラシのものを流用します。別にカタログ用の絵を別に発注するのもアリです、そのへんはご自由に。
だいたいこれを当日500円くらいで売って入場証の代わりとします。なので原価が500円以下になるようにがんばりましょう。(この原稿は2023年時点です、今後の物価高でどうなるかはわかりません)
6.0.1余談:カタログは保険になるという話
カタログを作っておくととのメリットがもう1つあります。
最悪なんらかの事故で当日主催がいなくても催事が成り立ちます。
カタログがあれば、スタッフはどんなサークルがどんな配置で、どんなタイムテーブルなのか把握するこができます、カタログは印刷所から直送なので主催が事故っても会場に届きます。
主催が事故で当日居ないというのは、ほんとうに事故の場合ですが、なくはないのです。
残ったスタッフがカタログを手掛かりになんとかしたという実例がありました。
なのでカタログは作っておいたほうが良いかなと思います。
6.1同人誌印刷所のイベント支援について
言い忘れていましたが、同人印刷所さん「イベント支援」なる制度を用意しているところが多数です。
これはイベントを同人印刷所さんに登録し、イベントのWebサイトからバナーリンクをはることで何らかの優遇措置が受けらえるという制度です。
また登録をすることで締め切りがわかるようになります。カタログに特別な割引もしくはポスター印刷などの特典がつくこともあります。
(引用:有限会社ねこのしっぽ)(ねこのしっぽは神)
一番のメリットは締め切りが明確になることですし、会場によっては直接搬入にしてもらえることもあります。
サークルにとっても都合がいいので、登録しておくほうがいいでしょう。
主催が専用のフォームで登録を申し込む形式になっているところが普通ですので、自ら回って登録してきてください。これはサークル受付を締め切るよりも、もっと早い段階で申し込むほうが良いでしょう。
7.サークル入場・搬入案内
サークルに入場はどのようにしたらいいのか、つまり何時にどこでどういう手続きをすればよいのかという説明と、荷物の搬入について案内をしなければなりません。
これもだいたいイベントの2週間前には全サークルに配布しておくほうがいいでしょう。
サークルも2週間前くらいに本の入稿を始めます、そのときに搬入方法がわかっていたほうが楽なのです。
案内をどうやって出すかですが、昔は郵送していました、サークルチケットつけて、今はしていません。Webサイトの中にサークル向けのページを作って、そこに内容を書いてメールの一斉送信でサークルに知らせます。
内容は簡潔に、わかりやすく、そして大事なところはでっかい文字で書いてください。
7.1サークル入場案内
何時から何時までがサークル入場時間で、どのような手続きが必要かということです。
これを説明するためにはイベントのタイムテーブルをお出しする必要がありますね。
以下がタイムテーブルです。(小さい場合はタップかクリックで元画像)
全体の時間の流れについてはまた後の章で解説します。
サークルは一般参加者よりも先に入場して、自分の卓を設営する必要があります。
だいたい9時に会場が開いたとして、会場全体の設営・準備があるのでそれに45分ほど見ています。テーブル並べを自力でやらなければならないとき等1時間ほしいときもあるのでそのへんは調整してください。
設営が終わった頃にサークル入場をはじめて、即売会が始まる30分前に締め切るということにしています。なぜ始まる30分前に入場をしめきるかというと、これも後から説明しますが、サークルの頒布物のチェックをしなければならないので、それだけの時間の猶予が必要だからです。
なので、このタイムテーブルの場合は9時45分から11時の間に来るようにと案内をします。
過去は郵送でサークルチケットを送付していましたが、今は電子化しているのでサークルチケットがありません、入り口でサークル参加者かどうかを見極める必要があります。
合言葉を言え!としてもいいですが、サークルしかいないので入り口でサークル名と登録された本名を言ってもらって照合くらいでいいと思います。あとは同時に入場できる人数も改めて言っておきます。
7.2サークル搬入案内
搬入方法に関する案内です。先ほどの入場案内と同じページに書いておいて良いのですが、長くなるので項目を分けました。
サークルは頒布物をもってくるので荷物があります、全員が自力搬入ならいいのですがそうでもありませんし、印刷所から直送されるものもあります。
なのでどういう方法で会場に向けて送り付けて良いかを明記しておきます。
これは大まかに2パターンあります。
まず、会場が前日までに荷物を受け取ってくれて、会場に直接荷物を送って良い場合です。
この場合は楽です、会場の指示する送り先と、日付を指定するだけです。
他にn月n日xホール、などと箱に分りやすく書いておくように指示するくらいです。
逆に会場が荷物を受け取ることができない場合、もしくはそれをするのであれば前日の予約も必要なパターンです。前日の予約も必要≒そのぶん会場費が余計にかかりますので現実的ではありません。
なので、最寄りのヤマトの営業所止めに発送してもらい、前日の夕方もしくは当日の朝に主催がレンタカーか自家用車で引き取りに行くという方法です。
会場近くのヤマトの営業所の目星を付けます。土日空いている営業所がいいでしょう。
そしてセンター止めサービスを利用して、センターに前日着で送り付けてもらおうようにサークルに指示します。もちろん送る方法はヤマトのみです。
この場合、搬入で事故る確率がちょっと上がります。
デカデカと書いておいてください。
そしてこのように書きなさいと画像付きで説明してあげてください。
センター止めで荷物を出す機会ってなかなかないので間違えやすいところです。
荷物を引き出すのは主催なので、宛名は主催の名前を書いておくことがなどが重要です。
また、品名には同人誌なら書籍等、そしてサークルスペース番号を送り状の品名、もしくは送り状近傍のどこかに分りやすく書いておくように指示しておく必要があります。
これがまあまあ守られません、スペースNo不明のまま到着する荷物が2個3個はあります、メゲてはいけません、本名と照らし合わせてどのスペースか探ってください、このために申し込みで本名を貰っておく必要があるのです。
あとは細かい注意事項などを明記して、サークル案内としてサークルに一斉送信いたします。
とにかくイベントで取り返しのつかないミスといえば宅配搬入のミスなので、ここはほんとにしっかりやりましょう。
8.そのほか当日までにやっておくべきこと
ここまでのことが全て出来たのであれば、当日までの仕込みは終わりです。
あとは開催まで、サークルの告知をRTしたり、イベントの宣伝をするなどしてください。
イベントの宣伝で一番効果があるのはサークルの頒布物の告知です。見逃さないように全部RTしてください。なんなら2,3回やってもいい。
8.1当日までに用意しておきたいもの
当日使う可能性が高く、買って用意しておいたほうがいいものです。
- 筆記用具
- 紙(真っ白な紙、コピー紙で良い)
- 養生テープ
- ガムテープ
- カッター
- ゴミ袋
- 釣銭(カタログ販売用)
- スタッフ章
こんくらいですかね。たくさんは必要ありません。あまりたくさん用意しても持っていくの大変ですから。
真っ白な紙は重要です、よく使います。。本部とか出入り口とか案内を手書きして養生テープで貼りつけます。
釣銭はそんなにたくさんはいらないですが、開幕1万円が稀にいるので1000円札10枚はあったほうがいいかな。
スタッフ章は、一般参加者が見てすぐにスタッフだとわかるモノを用意してください。腕章もしくは首から吊り下げる名札等です。
アフターイベントをやるなら色紙を用意しておくと捗ります。当日に寄せ書きしたりね。
9.当日のタイムテーブルと動き
ここまでさんざん先延ばしにしてきたタイムテーブルの説明です。
タイムテーブルが決まれば、当日手伝ってくれるスタッフに何をどうしてほしいのかわかりやすく伝えることができます。なのでこのタイムテーブルは開催前にあらかじめスタッフ内で共有しておくべきです。
会場を借りることができる時間というが決まっています。だいたいが9時~17時です。
その8時間で設営から撤収まですべてこなさなければなりません。
前の章で即売会そのものは3~4時間くらいとしましたが、タイムテーブルを組んでみると「そんなもんかな」と思われると思います。
ぶっちゃけそれより長くても50スペースくらいだと時間が余ります、後半ダレてくるので時間を長く取るメリットってそんなにないです。買い物する人はもっと早くに来ますので。
前の章で述べたように、宅配の搬入物が営業所止めの場合は引き取りに行きます。自家用車ならそれでもいいです、他の主催の道具も運べるので楽です。レンタカーなら借りてきて、会場に荷物を運んで、どこか近くのコインパークに停めておいて、終わったら返します。
9.1スタッフにお願いする仕事と主催の仕事
スタッフの練度はさまざまだと思います、私はもう何度もやっているので手練れの集まりですが、最初は不慣れだと思います。ちゃんとコツがあります。
- 一人のスタッフにお願いする仕事は1コマ1種類のみ、それに集中してもらう
- 違う種類の仕事をお願いするときはなるべく近い仕事をしていた人に振る
- それ以外のイレギュラーはすべて主催に上げる、とお願いしておく
このようにしておいてください。最も混乱がない方法です。
そして主催は仕事をせずにぶらぶらしていてください、ぶらぶらするのが仕事です。何か抱えてはいけないのです。
ぶらぶらするというのは、最も大切な巡回という仕事です。問題が発生していないか、困っている人がいないか、そういったものがないか見て回る。ずっとウロウロしていると邪魔なので本部付近に立って会場を見渡す、こういうことをずっとしていてください。そしてスタッフに呼ばれたら即座にその場に行く。200平米くらいの会場ならどこにいたって10秒で行けます。そしてその場でジャッジする、これが主催の当日の仕事です。
服装もちゃんとした格好していくといいです、人は見た目が9割です。なんならスーツでもいいかもしれません、あえて目立つ格好していたほうが便利なので。
もちろんですが、交代で休憩なり昼食なりが取れるように、要所要所で気を使ってください。
さあここから本番です、当日の動きを順を追ってなぞります。
9.2集合→設営
9時に現地集合です、ここまで一人でやってきましたがここでスタッフの登場です。まずは全員で設営をします。設営もすべて自分たちで行わなければならない会場と、図面を送っておけばその通りに配置しておいてくれる会場があります、どちらにせよ微調整は必要です。
50スペース程のイベントですから、設営も大雑把で構わないですが、サークルバックスペースや通路の大きさには注意したいところです。ともかくサークルが来るまでに机と椅子が並んでいる必要がありますし、本部を設置する必要がありますので、大急ぎでやります。
机と椅子を並べたら、宅配搬入物をサークルの場所に運んでおきます。そう、サークルの荷物をスペースまで並べておくまでが設営です。これがけっこう大変。
人手が足りないと思ったら1か所に固めておいて、サークルに取りに来させるという方式を考えてもいいかなとは思います。
9.3サークル入場開始→締め切り
9時45分にサークル入場を始めます、設営に使えるのはたった45分です。サークル入場時間をすこし短くして1時間とってもいいかなとは思います。
サークルがやってくるので、本部を設置して受付を開始します。
さて、ここまで本部と一緒くたにしてきましたが、会場の入り口に設置して入退場者の管理をする「受付」と、各種事務作業を行う「本部」の2つの場所で別の仕事が必要になります。
「受付」は、場合によっては会場の出入り口のすぐ外でやる場合もあります。こちらの本部は、サークル入場時間にやってきたサークルのチェックや再入場の管理をします。前の章で述べたサークル名と本名を突き合わせて、入場可能な人数だけ入れます、このときリストでチェックをしておきます、後述する見本誌確認が終わっているかと突き合わせて欠席かどうか判断するためです。
再入場の際にいちいちまた本名認証をするとめんどくさいので、再入場にだけ使えるチケット的ななにかを用意しておくといいです。名刺サイズのカードに【再入場】と書いておくだけのものでいいです。出ていくときに渡す、戻ってきたら回収します。5,6枚もあれば十分。当日コピー紙で作ればいいです。サークルが見本誌チェックが終わってカタログを入手したのであれば、それを使ってもらいます。
次に各種事務作業を行うほう、会場内にある「本部」で見本誌のチェックを行います。
これは違法なものが売られていないかというチェックで、主に成人向けの本の修正を確認するとともに、すべての本に奥付がちゃんとされているかというチェックを行います。また市販品をそのまま売るなどのサークル参加要項にある禁止されているものが頒布されていないかのチェックも行います。
見本誌確認はそれなりに同人業界について精通している人間がやる方が良いでしょう、特に成人向けの本のチェックには知識が必要です。
見本誌を回収するかどうかの判断は任せます。私は成人向けの本と、その場で中身が確認できないメディア形式のものだけ「何かあったときのため」に回収して保管しておくことにしています。グッズは見るだけ見ます。グッズが多すぎるサークルは出向いてチェックに行きます。
見本誌チェックが終わったら、交換としてカタログを1冊渡して再入場証代わりに使ってもらいます。
即売会開始までに、すべてのサークルの見本誌チェックを終えるようにしておいてください。欠席かどうかは受付のチェックと突き合わせて確認します。
今更ですけど、主催にも同人誌とそれにまつわる法律の知識は当然必要なので、お勉強しておいてください。
9.4一般待機列形成
一般参加者が来たら待機列を作ります。あまりに早い場合は一度どこかに散ってもらって、また再度来るように指示してください。9時から並ばれては困るので。開催1時間前くらいまでは散らします。
即売会開始前に来た一般さんにはとりあえず受付でカタログを売ってしまいましょう。そうでなければ開始した瞬間入り口で詰まります。
なので、外の受付スタッフに指示し、カタログを1部売って、待機列を並べる場所に並んでいてもらいます。それだけです、特に難しいことはありません。
会場の前の廊下やピロティ、エントランスなどを利用してください。
ごく稀に流行ジャンルにクリティカルヒットしてしまい、長蛇の列ができる可能性もなくはないのですが、そういうのはまた別の機会に。
9.5即売会開始
時間が来たら即売会を開始します。
開始する10分前にはサークルに開始10分前であると伝え、3分前には席に戻るようにアナウンスを入れてください。
そして主催の挨拶をします「おはようございます、そろそろ開始しますのでよろしく」くらいでOKです。
そして開始の宣言とともに待機列の一般参加者を中に入れます。それだけです、と言えばそれだけなのですが、待機列の長さによって開始方法を少し変えます。
待機列が長い=人が多い状態でいきなり会場にワッと入れると混乱したり転倒したり危険です。走らないようにとアナウンスするのは当然ですし、誰も走らなかったとしても、人が1カ所に集中すればそれだけでリスクなのです。
なので待機列が長い場合は、開始前に「最初に回りたいサークルの前に並んでください、サークルは合図があるまで頒布をはじめないでください」とアナウンスして、そのように行動してもらいましょう。サークルの前に列ができて、動きが静まったら挨拶をして開始宣言をします、安全な方法です。
逆に危険な方法も教えておこう、ローリングスタートだ。
一般待機列を会場の中で輪になってもらい、オクラホマミキサーのBGMとともにぐるぐる回ってもらう、BGMが止まった瞬間を開始とする。まさに椅子取りゲーム!危険!
どのくらいから列が長いか短いかは判断が難しいところですが、そうですねえ…慣れないうちは20~30人くらいから安全を見越してやってもいいかな、くらいに言っておきますね。
9.6即売会終了まで
即売会中も、適度になんらかのアナウンスをしましょう。落とし物をしていないか、再入場の際にカタログを提示するように、何か困ったことがあったらスタッフに声をかけるように、不審なモノはないか、などなど。
会場全体を見回す、巡回するということはずっとやっていてください、トラブルは小さいうちに潰しておくが吉です。またイベントが終わってからTwitter上でクレーム入れられても困るんですよね、終わったもんどうにもならねえじゃん、事実確認もできないし。なのでトラブルの種を見つけるように、監視、巡回です。
時間がきたら終了をアカウンスします。お疲れさまでした。
9.8搬出
大事なことを忘れていました、荷物を搬入したのであれば、搬出もしなくてはなりません。
終了時間めがけてヤマトの集荷を依頼しておきます。インターネット上のフォームから行えば十分です。
着払い用の送り状を用意しておいて、開始間際に必要なサークルに渡しておきます。
着払いのみ扱ってください。そうじゃないと大変なので。
本来であればヤマトの集荷がきたら持ってきてもらうのですが、ヤマトにも都合があるので時間ピッタリに来れないことがありますし、なにかと上手くいきません。
用意ができた荷物は本部で集荷してしまいます。ですが送り状を切ってはいけません、それはヤマトさんにしてもらわなければなりません。
なので集荷までに帰らなければならないサークルには送り状番号だけを控えてもらって、送り状の控えは主催が預かりましょう。
イベントが終わってしばらくして問題なさそうなら処分します。
また、ゴミは各自持って帰ってもらいましょう。ただし、サークルの机の上にチラシを配布したのであれば、チラシのゴミと段ボールは処分を受け付けます。このあたりどうにもならないので。スタッフが飲み食いしたゴミも出ます、集めたゴミをどう処分するのかは会場とあらかじめ相談しておいてください、お金で解決できるならお金で解決します。
9.9アフターイベントについて
ストロングスタイルを標ぼうしたのでコア部分だけを触れてきましたが、アフターイベントは小規模イベントならではの催しなので触れておきます。
これは即売会終了が15時頃だとして、まだ会場を撤収するまでに時間があるのであれば、何らかのアクティビティを行うものです。
例えば景品を持ち寄ったじゃんけん大会や、ビンゴ大会等です。
個人的にはじゃんけん大会がおススメです、景品をいじり易いので。でも全員に景品を行き渡らせるのであればビンゴのほうがいいですね。
小一時間で終わるくらいに調整してやりましょう、楽しいですよ。
この辺りは、自分が他のイベントに参加して感じたままやってください。
9.10撤収
全ての日程が終われば撤収です。一般参加者とサークルを追い出して、ゴミがないか、なにか破損していないか確認ののち、会場の管理者に連絡して撤収、施錠とします。
机と椅子をほったらかしにしていい会場なら、人間だけ追い出してゴミを拾って終わりです。
机と椅子も撤収して原状復帰しなければならないのであれば、そうします。
そのときスタッフ以外の参加者に手伝ってもらうかどうかはお任せします。手伝ってもらったほうが楽ですが、事故、怪我にならないように最大限気を付けてください。また手荷物の管理は自己で行うように徹底させてください。
前にも触れましたが、会場代は完全前払いの場合、予約金と清算の場合、完全後払いなどさまざまです、清算があるなら清算します。お金の始末が終われば完全に終了です。
これまで私が行ったイベントの収支表を参考として貼っておきます。
赤字になったり黒字になったりはマチマチですが、どちらにせよ大きく儲かったりしません。大きく赤字になることはあります、台風が直撃してイベントがパーになったりね。
10打ち上げ
この瞬間のために生きている!
イベント名でTwitter検索してニヤニヤしながらビールを飲もう!!
イベントで出会った人たちがTwitter上で「今日はどうも」とか挨拶しているの見るのはたまんねえぜ!
でも帰ったらWebサイトとTwitterに終了したというアナウンスは忘れずに書きましょう。
以上です。
全編後編合わせて3万文字ほどになりました。
まだトラブルシューティングや細かい部分など加筆するつもりですし、最終的には物理的な書籍にしたいと思います。
現時点ではオープンβ版だと思ってお読みください、なにかおかしなところがあったら@999ccまでご連絡ください。